第1Qの1/4から24得点へ、ゴンザレスが見せた試合中の修正力
キングス戦でヒューゴ・ゴンザレスは第1Qのシュート不振をハブ役のパスで乗り越え、後半に修正して24得点10リバウンド5アシストのダブルダブルを記録した。アマリ・ウィリアムズを起点にしたビッグマン連携や、最後のツーウェイ枠を巡る競争の輪郭も見えた一戦。
第1クォーターのヒューゴ・ゴンザレスは、フィールドゴール1/4とシュートが全く合っていなかった。ここで彼が選んだのは強引にシュートを打ち続けることではなく、ボールを持ってディフェンスを収縮させ、空いた味方へ捌く役割への切り替えだった。前半だけで5アシストを記録し、後半に入るとシュートタッチが戻り、第2クォーター以降はフィールドゴール50%、3ポイント43%という高確率でスコアを積み重ねて、最終的にゲームハイの24得点、10リバウンド、5アシストというダブルダブルで試合を終えた。不調のまま漫然と打ち続けるのではなく、状況に応じてスコアラーとプレイメイカーの間で自分の役割を動かせたことは、ジェイレン・ブラウン放出後にロールの拡大を試されている選手として、単発の得点力よりも大きな意味を持つ。ゴンザレスは今大会の序盤、6/26というシュート確率の低さでファンから不安の声も出ていたが、この試合の後半の内容はその懸念を一度は和らげる要素になった。
この試合でスタッツ以上に効いていたのが、アマリ・ウィリアムズのパス供給だった。ウィリアムズはディフェンスリバウンドを奪った直後に自分でボールを持ち上げて速攻を組み立てる、いわゆるグラブ・アンド・ゴーを繰り返し、走るゴンザレスへノールックで合わせる場面も見せた。得点自体は6点、リバウンド7本と目立つ数字ではなかったが、アミール・ジェファーソン代行ヘッドコーチは「It calms everybody else down. He's creative, he can find you, and if you're moving and open, he'll get the ball to where it needs to go.(彼がいると周りが落ち着く。彼は創造的で、こちらを見つけてくれるし、動いて空いていればそこへボールを届けてくれる)」と評した。この供給役としての機能は、ルーキーのクリス・セナック・Jr.との組み合わせでも生きた。ウィリアムズのハンドオフからセナックがダイブやポップアウトで合わせるシークエンスが複数回確認され、パワーフォワードのポジションからビッグマン二人を同時に置くこの形は、メイン・セルティックスで試される基本システムの下地として機能した。セナックはこの試合でもアグレッシブなポスタープレーを狙い、途中でオフェンシブファウルを取られる場面もあったが、大学時代の37試合で18ブロックだったリムプロテクトの数字が、このサマーリーグでは4試合で11ブロックまで伸びている。本人は大学時代を振り返り「I was focused a lot on rebounding and guarding multiple positions, so I wasn't always around the rim as much.(リバウンドと複数ポジションを守ることに集中していたから、リングの近くにいつもいたわけではなかった)」と説明しており、今のブロック数の伸びは役割の置き所が変わったことの裏返しとして読める。
ベンチの外側で進んでいるのが、残るツーウェイ契約枠を巡る競争だ。アマリ・ウィリアムズが1枠を確保している状況は固まりつつあり、この試合で意図的に休養(DNP-Rest)を与えられたドラフト40位のディロン・ミッチェルも、2枠目の有力候補として名前が挙がっている。残る1枠を争うジョン・トンジとミロス・ウザンは、この試合でも対照的な内容を見せた。トンジはスクリーンを丁寧にファイトオーバーしてペリメーターへ圧力をかけ、3ポイントも3/7と高い確率で沈め、コートに立つ時間帯のスペーシングを整えていた。一方のウザンは13得点を記録したものの、3ポイントは2/5に留まり、無理にシュートへ持ち込む場面やキャッチミスも目についた。完成度の高い3&Dとして機能したトンジと、ボール保持を前提にプレーするウザンの違いは、ハードキャップ下でどんな安価な機能ピースを優先するかという判断に直結する要素であり、現時点では最終的な契約枠の行方は決まっていない。
この試合を語るうえで避けて通れないのが、キングスの第1クォーター4得点という、サマーリーグ史上最少記録である。フィールドゴール21本中わずか2本という数字はそれだけ見れば衝撃的だが、キングス側は今大会トップスコアラーのダリアス・アカフ・ジュニアをはじめ、ニケ・クリフォード、マキシム・レイノーという主力3人を揃って休ませていた。したがってこの数字を、ボストンのディフェンスだけの成果として単独で評価するのは適切ではない。相手のオフェンスの選択肢が最初から欠けていたという条件を踏まえたうえで、それでもボストンがゲームコントロールを保ち、82-76で今夏4戦目を勝ち切ったという事実として受け止めるのが実情に近い。