UP NEXTNEXT GAME TBD

Daily Signal

「PGの方が良かった」PJ・タッカーの評価と、グリーンが挙げた29歳対36歳という反論

ジェイレン・ブラウン放出トレードの評価が、PJ・タッカーとドレイモンド・グリーンの間で真っ二つに割れた。スティーブンスが語った「キャップの70%」という数字と、ウォルシュ延長契約や10月10日のブラウン凱旋試合を重ねて読む。

7月24日|Celtics Signal JP|読了目安:約 7
SHARE
Xで共有
「PGの方が良かった」PJ・タッカーの評価と、グリーンが挙げた29歳対36歳という反論 のサムネイル画像

Jeff Teagueのポッドキャスト『Club 520』で、PJ・タッカーが放った一言が波紋を広げている。「If you look at the playoff series this year, PG might have had a better series than JB. So how does Philly win? I think it's tough. I'm rocking with PG.」(今シーズンのプレーオフシリーズを見れば、ポール・ジョージの方がジェイレン・ブラウンより良い出来だったかもしれない。それでどうやってフィラデルフィアが勝つのか。厳しいと思う。俺はポール・ジョージ派だ。)。タッカーは続けて、ブラウンがフィラデルフィアで背負う重圧にも触れている。「There's pressure on JB, yes it is. Man, you're going in there, there's Embiid, there's Maxey, you're lowkey third to them.」(ブラウンには確かに重圧がかかる。ジョエル・エンビードがいて、タイリース・マキシーがいて、実質的には3番手に甘んじることになる。)。今季のプレーオフ1回戦で76ersがボストンを下したシリーズを念頭に置いた発言で、対戦相手だった元選手が下す評価だけに軽視できない重みがある。

これにドレイモンド・グリーンが即座に反応した。「No disrespect to Paul George, but this isn't an even swap. I got a lot of love for PG. But like myself, PG is 36 years old... And Jaylen Brown, not even 30 years old. He's 29 years old, and he's going into year 11.」(ポール・ジョージに失礼なつもりはないが、これは対等な交換ではない。ジョージには愛着があるが、彼は自分と同じ36歳だ。一方でブラウンは30歳にもなっていない。29歳で、11年目に入るところだ。)。プレーの質ではなくキャリアの残り時間を軸に据えた反論で、同じトレードに対する評価軸そのものがずれていることが分かる。

70%という数字が語る決断

この評価の分かれ方を、フロントオフィス側の説明と重ねると読み方が変わる。ブラッド・スティーブンスはトレード直後にこう語っていた。「When I looked at our team and where the league was heading... the path looked a little bit more challenging to me... with 70% of our cap and such a high percent of our usage tied into two players.」(チームの現状とリーグの方向性を見たとき、この先の道はやや険しく見えた。キャップの70%と、それだけ高い使用率が2人の選手に縛られていたからだ。)。タッカーとグリーンが議論しているのは「どちらの選手が優れているか」だが、スティーブンスが語っていたのは「2人に資源を集中させ続けられるかどうか」という別の問題だ。トレードの評価が割れるのは、選手個人の出来と、ロスター構造の持続可能性という、そもそも異なる物差しで測っているからだとも読める。

誰がブラウンの穴を埋めるか

この構造転換の実務は、すでに動き始めている。セルティックスはジョーダン・ウォルシュが持っていた2026-27シーズンの240万ドルのチームオプションを行使したうえで、2027-28シーズンから適用される3年1,500万ドルの延長契約を結んだ。昨季68試合出場でFG成功率50.9%、3P成功率38.4%まで数字を伸ばした若手を、手頃な年俸のまま長期で抱え込む決断だ。これ単体でブラウンが残した得点力を埋められるわけではないが、ポール・ジョージの出場数が例年並みに留まった場合に生まれる生産力の空白を、ウォルシュ、ウーゴ・ゴンザレス、ペイトン・プリチャード、マイク・コンリーらの分担で埋めようとする発想と噛み合う。

そのゴンザレスは、サマーリーグでラプターズ戦17得点10リバウンド8アシスト、キングス戦24得点10リバウンド5アシストと存在感を示した一方、通期ではFG成功率31.8%、3P成功率25.9%と効率面の課題も同時に抱えている。NBC Sports Bostonのクリス・フォーズバーグらが将来「デリック・ホワイト級」になり得ると評するのは守備IQとパス能力についてで、シュート力の底上げがなければマズーラが求めるスペーシングの水準には届かないという見立てが並走している。

外部からのウイング補強として名前が挙がるのが、ニューオーリンズのトレイ・マーフィー3世だ。26歳で昨季平均21.5得点、3P成功率37.9%を残しており、ペリカンズ側の要求が1巡目指名権4本から3本へ下がったと報じられている。ブラウンのトレードで得た2028年、2031年の1巡目指名権はこの条件に届く資産だが、ジョン・ホリンジャーの分析が指摘する通り、市場全体がレブロン・ジェームズの去就待ちで止まっており、セルティックスが実際にオファーを出したという一次情報はまだない。

10月10日、TD Gardenでのプレシーズン開催が決まった76ers戦は、ブラウンにとって放出後初のボストン帰還になる。タッカーとグリーンが言葉で争っている評価が、コート上でどちらに近い現実として現れるのか、最初の目安になる一戦だ。