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ウォルシュとハーパーJr.、1100万ドルで固めたジョージ不在の保険

ウォルシュとハーパー・Jr.の延長契約が正式に確定し、若手ウイング4人の総年俸は約1100万ドルに収まった。ポール・ジョージの稼働率不安と9月6日まで動けないトレードルールを踏まえると、この安さは偶然ではなく設計に見える。

8月3日|Celtics Signal JP|読了目安:約 6
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ジョーダン・ウォルシュの延長契約は、当初報じられていた条件よりも具体的な形で固まった。ボストンは2026-27シーズンのチームオプション240万ドルを行使したうえで、2027-28シーズンから始まる3年1500万ドルの延長を結んでいる。ロン・ハーパー・Jr.の再契約も、6月末に伝えられていた「3年900万ドル」から、契約トラッカーの反映を経て「4年約1370万ドル」という構造に確定した。最初の2年が完全保証、3年目は無保証、4年目はチームオプションという、チーム側に大きく有利な条件だ。この2人にベイラー・シャイアマンとヒューゴ・ゴンザレスを加えた若手ウイング4人の2026-27シーズンの合計年俸は、わずか約1100万ドルにとどまる。

この安さが意味を持つのは、ジェイレン・ブラウンを送り出し、見返りにポール・ジョージと複数の1巡目指名権を受け取ったトレードの後だからだ。ジョージは実績のあるスコアラーだが、年齢と過去の負傷歴から全試合出場を前提にできる選手ではない。つまりボストンのウイングは、スターの欠場を埋める役割を誰かが担わなければならない構造になっている。Sports Illustratedのジョン・カラリスは、この文脈でスティーブンス周辺のロスター運用を「Two things have to happen for this trade to work(このトレードが成立するには2つの条件が必要だ)」と表現し、まず「Paul George's salary can't be aggregated with anyone else's for 60 days(ジョージのサラリーは60日間、他選手と合算できない)」というCBAの制約を挙げた。ジョージがトレードで加入したのは7月上旬で、この制約が解けるのは9月6日になる。もう一つの条件として、カラリスは「they'd have to be pretty confident that Baylor Scheierman, Hugo Gonzalez, or Jordan Walsh — and most likely two of the three — would be ready to fill a major role on the wing(シャイアマン、ゴンザレス、ウォルシュのうち少なくとも2人が、ウイングの主力級の役割を担えるという自信をフロントが持てるかどうか)」を指摘している。

ウォルシュ自身も、この期待の輪郭に近い言葉を口にしている。サマーリーグ期間中に「The biggest thing is I'm trying to change my identity offensively.(一番大きいのは、オフェンス面での自分の立ち位置を変えようとしていることだ)」と語り、「I'm trying to be the answer to the situations that they took me out of.(去年、コートから外された場面で答えになれる選手になろうとしている)」と続けた。守備の職人という評価だけでなく、ボールを持って攻撃を組み立てる場面でも機能できるかどうかが、彼自身の課題としても、フロントが延長契約で賭けた条件としても重なっている。

リピーター・クロックという別の制約

若手ウイングの安さがもう一つの制約とも噛み合っている点は見逃せない。デマー・デローザンが7月にキングスから解雇され、800万〜1000万ドル規模の契約を求めて市場に残っている。Bleacher ReportのDan Favaleは、ボストンのアウトサイドの厚みがデローザンのミッドレンジ偏重を補えるとし、「Something has gone wrong if Mike Conley is a factor, and Boston can't count on Paul George to play in every game.(マイク・コンリーに頼らざるを得ない状況になっているなら、それは何かがうまくいっていない証拠であり、ジョージの全試合出場も見込めない)」と、テイタム、プリチャード、ホワイトに次ぐ第2のボールハンドラーの必要性を説く。ただし同じFavaleは「Adding DeRozan would put the Celtics back in the tax.(デローザンを加えれば、セルティックスは再び贅沢税ラインを超える)」とも書いており、これはボストンが最優先で避けたい「リピーター・クロック」のリセットと正面から衝突する。連続して税ラインを超えたチームに科される罰金率の上昇を指すこの制度は、一度でも税ラインを下回れば連続超過の記録を断ち切れる仕組みで、フロントがこの夏にサラリーを削り続けてきた動機の核でもある。若手ウイングを安価な延長契約で固めておくことは、外部から高額な補強を迎える代わりに、内部の選手で同じ穴を埋めようとする選択にも読める。

9月6日を過ぎればジョージのサラリーを他選手と合算したトレードが物理的に可能になるが、それが実際に動くべき対象が市場にあるかどうかはまだ見えていない。ステフィン・カリーをめぐる報道も、探りを入れたとする観測と、本人にトレード要求の意思はないとする別の情報が真っ向から食い違っており、どちらか一方を事実として扱える段階ではない。今のところ確かなのは、ウォルシュとハーパー・Jr.の契約書に書かれた数字と、そこから逆算できるフロントの想定だけだ。