ヤニス交渉で拒んだゴンサレスとシャイアマンが先発SGを争う
バックスとの交渉でヤニス獲得の対価にゴンサレスとシャイアマンの譲渡を要求されたセルティックスがこれを拒否したという報道が、サマーリーグの数字と結びつき、開幕前の先発SG争いを読み解く鍵になっている。
ロサンゼルス・レイカーズが125億ドルでJoshua KushnerとBob Igerへ売却されると報じられた。わずか10ヶ月前に100億ドルと評価されていたばかりの球団が、この短期間でさらに25億ドル積み上がった格好になる。AP通信の記事はこの数字の比較として、セルティックスが2025年にビル・チザムへ約61億ドルで売却された経緯にも触れている。ただしこの売却が過半数株式の移動を意味するのか、フロントオフィスの意思決定権にどこまで影響するのかは、今回の情報だけでは確認できない。
それでも、この夏のボストンが下した一つの判断は、球団の資産価値がどこまで加速しているかという話とは別の理屈で説明できる。ヤニス・アデトクンボの獲得を巡る交渉で、セルティックスはジェイレン・ブラウンと無保護の1巡目指名権2本というパッケージを提示したものの、バックス側がウーゴ・ゴンサレスまたはベイラー・シャイアマンの追加を求めた際、これを拒んだとシャムズ・シャラニアが報じている。結果としてアデトクンボはマイアミ・ヒートへ渡った。フロントがこの二人を守った理由は、二人の現在の実力がヤニス級に匹敵すると評価したからというより、サラリーキャップ第2エプロン下でこれ以上ルーキースケール契約の実戦力を手放すと、今後のロスター構築そのものが立ち行かなくなるという計算だった可能性が強い。ジェイソン・テイタムの契約が2026-27シーズンに5,840万ドル、ポール・ジョージが5,410万ドルとキャップを圧迫する中で、クリス・セナック・Jr.の290万ドルのようなルーキースケール契約が持つ柔軟性の価値は、他の主力選手の契約が膨らむほど相対的に上がっていく。
先発SGの椅子は空いている
この守り抜いた二人が、いま同じポジションで向き合っている。ブラウンの放出とポール・ジョージ獲得によってスタメンのシューティングガードは完全に空席となり、ジョー・マズーラHCがペイトン・プリチャードをベンチスコアラーとして維持する方針を続けるなら、先発の座はゴンサレスとシャイアマンの一騎打ちに絞られる。昨季の実績だけを見れば、ゴンサレスの分が悪い。彼の先発出場はわずか3試合に留まる一方、シャイアマンは20試合を務めている。しかしこの夏のサマーリーグでゴンサレスは平均18.3得点、8.0リバウンド、5.7アシスト、1.7スティールを記録し、最終戦では24得点10リバウンド5アシストとスタッツを積み上げた。RotoWireもこの状況を「先発の座を争っている」と評している。
数字の伸びだけでなく、プレーの質の変化も評価を押し上げている要因になっている。6フィート6インチのサイズを持つゴンサレスは、ピック&ロールのハンドラーとしてペイントへ侵入する力があり、ディフェンスを収縮させてから空いた味方を見つけるビジョンも高く買われている。昨季はリム付近のフィニッシュ精度と、無理なパスアウトによるターンオーバー(11.3%)が課題として残ったが、その荒さを差し引いても、キャンプでの起用検討がゴンサレスへ傾いている理由は理解できる。もっとも、これはまだキャンプ前の評価に過ぎず、マズーラHCが実際にどちらを先発に置くかは、開幕までの実戦で確定する話だ。
カリーではなく、ジョージの契約が動かせない
同じ夏、テイタムとステフィン・カリーが元セルティックスのブライアン・スカラブリニとともにマーサズ・ヴィニヤードでゴルフをしている姿が目撃され、SNSでは大型トレードの妄想が急速に膨らんだ。だが制度上、この噂が現実になる余地は今のところない。カリーの6,260万ドルという年俸をトレードで動かすには、ボストン側もポール・ジョージのような大型契約を年俸マッチングに使う必要があるが、CBAのアグリゲーション・ルールにより、獲得から一定期間が経過するまでジョージの契約を他の契約と合算して動かすことはできない。その期限は2026年9月6日で、それまでセルティックスは大型トレードを組む手段そのものを持たない。ゴルフの目撃談は社交的なオフの一場面であり、トレードのシグナルとして読むには無理がある。
こうして並べると、この夏のボストンを動かしているのは派手な大型トレードの噂ではなく、ヤニス交渉で守り抜いた若手をどう配置し直すかという地味なチーム構築だと分かる。ゴンサレスとシャイアマンの先発争いはキャンプの実戦で決まり、その結果が今季の第1ユニットの形を決める。派手な話題は当分ここまでは届かない。