ブラウンの復讐対決は「売れない」と見切られた開幕日程、セルティックスは平日午後3時開幕
NBAが発表した開幕週とクリスマスの日程は、ブラウンの古巣対決を全国放送の目玉から外し、レブロン・ジェームズの新天地デビューを優先した形になった。同じ週にはミッチェルのツーウェイ契約も確定し、夏の整理が一段進んでいる。
「The NBA is about money, and they will put whatever matchup on television they think makes the most money.(NBAはビジネスであり、リーグは最も収益が上がると判断した組み合わせを放送する。)」
SI.comのジョン・カラリスがこう書いたのは、8月11日に発表されたセルティックスの2026-27シーズン開幕週の日程を見た直後だった。セルティックスの開幕戦は10月20日、火曜日の現地午後3時開始というプライムタイムから外れた枠で、デトロイト・ピストンズとのアウェイゲームに設定された。同日のNBCトリプルヘッダーの主役は、レブロン・ジェームズが加入したフィラデルフィア・セブンティシクサーズとニューヨーク・ニックスの対戦であり、サンダー対スパーズがそれに続く形で組まれている。カラリスは「Jaylen Brown versus the Boston Celtics very obviously does NOT sell, in their opinion.(ブラウン対セルティックスは、彼らの見立てでは明らかに売れないカードだ。)」と、リーグと放送パートナーの商業的判断を言い切った。
この見立てはクリスマスの編成にも表れている。12月25日、セルティックスはTDガーデンでマイアミ・ヒートを迎える。両フランチャイズにとって史上初のクリスマス対戦で、ティップオフは現地午後2時30分、ABC/ESPNの全国放送が組まれた。一方で同日のシクサーズはレブロンの古巣ロサンゼルス・レイカーズと午後5時のメインタイムで対戦する。ヒートはクリスマスゲームで12勝2敗という圧倒的な相性を持つ相手であり、リーグがこのカードを選んだ理由は、ブラウンの因縁ではなくアデトクンボを軸にしたイースタン内の競技的なライバル関係だと読むほうが筋が通る。ブラウン対セルティックスという個人的なストーリーラインは、少なくとも放送編成の優先順位では脇に置かれた形だ。
この扱いが余計に生々しく感じられるのは、トレード直後にブラウン自身が語った言葉があるからだ。自身のTwitch配信で彼は「Boston packed me up. Pack ya bags. Sayonara buddy…there was definitely a lack of respect from Boston.(ボストンは俺を荷造りして送り出した。さよならってな。ボストンからのリスペクトは明らかに欠けていた。)」と述べ、球団施設のキーカードが無効化されたエピソードも明かしている。その後の会見でも、ジェイソン・テイタムとは「トレード以降、本当に話をしていない」と認めており、コート上の因縁と感情的な断絶がまだ解消されていないことは本人の言葉で確認できる。だからこそファンの間では「復讐対決」への期待が高まっていたわけだが、リーグ側の日程編成はその期待に応えなかった。もっとも、プレシーズンで既にシクサーズとの対戦が2試合組まれている事実もあり、レギュラーシーズンでの初対戦という希少性がそもそも薄れていた事務的な事情も、この扱いを部分的に説明できる。カラリスの分析が示す商業的な冷徹さと、単純な日程調整上の巡り合わせは、どちらも同時に成立し得る。
同じ週に、もう一つの夏の宿題が静かに片付いた。セルティックスは8月5日、2026年ドラフト全体40位で指名した新人フォワードのディロン・ミッチェル(セントジョーンズ大出身)とツーウェイ契約を正式に締結したと発表している。NCAAの新ルールを巡る訴訟の影響で、大学に復帰してNILマネーを稼ぐ道が一時浮上していたが、結果的にはプロ入りの一本道に確定した形だ。ミッチェルはセントジョーンズでの最終年に平均8.3得点、7.0リバウンド、3.0アシスト、1.3スティールを記録し、ビッグイーストのオールディフェンシブチームに選出された守備型のウイングで、今夏のサマーリーグでも平均26.0分の出場で13.0得点、2.7スティール、1.3ブロックと存在感を見せ、少ない試投数ながら3PT成功率37.5%という数字も残している。得点力そのものはカレッジ4年間で二桁平均に届いたことがなく、完成されたロスターでローテーション入りする可能性は今のところ高くないが、アマリ・ウィリアムズと合わせてツーウェイの2枠が埋まったことで、フロントが確保していた育成枠の使い道が一つ埋まった。残る1つのツーウェイ契約が誰に渡るのかは、まだ流動的なままだ。
開幕戦とクリスマスの編成、そしてミッチェルの契約は、それぞれ異なる背景を持つ動きだが、並べてみると今のセルティックスがリーグの中でどう見られているかが見えてくる。ブラウンを送り出したトレードは競技面での再編としては進んでいるものの、それが生んだ因縁は放送編成の優先順位を動かすほどの商品価値を持っていない。ロスターの整理は粛々と進み、注目度は別の場所に集まっている。